自分が定年を迎えることは、ずっと前からわかっていた。
それまで会社にいれるかどうかは別にして、いずれ会社を辞めることはわかっていた。
それなのに結局準備が不十分なまま、会社を退社することになってしまった。
完璧に準備をして辞めることは難しい。
定年前にやるべきこと
私の場合、まず何よりも先にやらなければならないことは、住居の確保だった。
結婚してからもずっと社宅暮らしだったので、会社を辞めたら住むところがなくなってしまう。
会社都合で転勤が続き、ずっとその地方でマンションを借りていた。
会社からの補助もあり、法人契約になるので、分譲マンションの賃貸に住んでいた。
家族も一緒について来ていたので、家を買うという意識が薄れていた。
この生活が一生続くような気がしていたというか、意識しないようにしていたのだろう。
ある時、後輩と電話している時にその話になり、急に現実に気がついた。
この時何か、急にスイッチが入ったようだった。
家に帰ってから妻にその話をしたら、彼女もその気になった。
それからじっくり話をして、今年中に家を買うことに決めた。
それから休みの日は、ほとんど一戸建てとマンションを見に行く時間に当てた。
まだそれほど介護に手がかからなかった時なので、ある意味いいタイミングだった。
妻は平日も中古のマンションや、中古の一軒家を見に連れて行ってもらっていた。
仕事を続けながら定年後の準備をする難しさ
家探しと並行して、定年後の準備を考えた。
取り敢えず何をしていいのか皆目検討がつかなかったので、本を買ってみた。
ちょうど楠木新氏の「定年後」が発売された時期だった。
その後に販売された「定年準備」も、続けて購入して読んでみた。
定年後の最大の問題は「孤独」だ。
終わりよければすべてよし。
「定年後」の趣旨は、ざっくり言ってこの二つだったように思う。
あと、定年後と75歳からは、分けて考えた方がいいというは、当たっている気がする。
その後、違う著者の書籍をいくつか読んでみた。
それぞれ違う視点で書かれているので、面白かった。
これらの本が役に立つかどうかは、これから次第だろう。
少し前に本屋で、楠木新氏の新刊が目に付いた。
「定年後」シリーズの4作目のようだ。
どうしてもシリーズものには、手が出てしまう。
「定年後のお金」は何とかスルー出来たが、今回は思わず手が出てしまった。
想定していた状況と現実とのギャップ
定年の最終日前日まで働いていたので、基本的に日々雑務に追われていた。
退職に関する書類の提出物が、結構あった。
何せそれらについて聞く相手がいないので、試行錯誤しながらやるのは大変だった。
会社側もきっちりした手続きがわからない上に、担当部署の人数が少なく対応も遅い。
段階的に人が減ってきていたので、どちらも手探り状態だった。
基本的に内勤業のほとんどが外部委託されているので、こちらとしては不安な部分が大きい。
特に退職金等の続きが煩雑で、相当時間がかかった。
それらと並行しながら、ハローワークや再雇用支援会社などへのアプローチもある。
退職してからも色々忙しいのは、意外だった。
これからは生涯現役が基本
60歳過ぎてから就職活動をして改めて思ったのは、候補は限られているということだ。
マンション管理、警備、大学事務。もちろん全てパートだ。
まず応募の定年は60歳というのが、普通だ。
それでも再雇用支援会社の担当者は、とにかく応募してみましょうと言う。
とにかく一度面接を受けてみないことには、始まらないと言う。
とにかく面接を経験することが、大切らしい。
嫌なら合格通知を受けてから、断ればいいとも言っていた。
40歳後半でも、1割ぐらいしか書類選考を突破しないらしい。
60歳を超えた人間には、相当狭き門だ。
これからは会社に頼らない人生設計が、必要になってくるのかもしれない。
自分のスキルを磨いて、ずっと働いていける道を探した方がいいのかもしれない。