生まれ初めて税務署に行って、生まれて初めて確定申告をしてきた

Miscellaneous notes

ずっとサラリーマンをしていたので、税務署というものに縁がなかった。ましてや自分で確定申告をする日が来るとは、思ってもみなかった。

普通は年金が支給されるようになったら、自分で確定申告をするものらしい。しかし、自分の中ではそういった意識が、全く欠落していた。

ただ、申告はあくまでも自己申告だ。嫌ならする必要はない。ただ、今回は退職したばかりなので、どうやら行かなければいけないみたいだ。そこで、準備万端で出かけて行った。

税務署の地図記号

まずは国税庁のラインのお友達申請から始める

今は税務署に行く前に、まずはラインでお友達申請から始めるようだ。これは毎月届く自治体の広報誌で分かったことなのだが、事前に予約が取れるらしい。そこでまず、税務署に直接電話してみた。するとラインから予約できますと言われたので、お友達になってみた。

「国税庁の公式アカウントです。友だち追加ありがとうございます」という文言とともに、ホームページのアドレスが添付されてくる。

「相談を申し込む」と、「かしこまりました。このまま少々お待ちください。」と返ってきた。最初、このブラウンのスタンプを見た時は、ちょっと驚いた。お役所も時代に迎合してきているのか、変われば変わるものだ。

その後、都道府県、会場、日程と順次入力していけば、簡単に予約は完了する。

予約をしている意味があるのだろうか

どうやら駅からそこそこ離れていてので、車で行くことにした。事前に駐車場も調べて行ったのだが、思った以上に迷ってしまい時間がかかってしまった。

それでも何とかギリギリ間に合って入り口まで行くと、そこには二十人近くの人たちが並んで待っていた。どうやら予約が取れなかった人たちのようだ。

この寒い中長い時間、外で立って待っている。ネットで簡単に予約は取れるし、わたしが予約したときには、まだまだ枠はたくさん空いていた。

しかしこちらも事前に予約して行っているのに、それでも相当待たされた。順番に並んでからパソコンで入力するまで、ゆうに一時間以上かかった。「これなら予約する意味はなかったのでは?」と思ってしまう。

だいたい、最初はなんのために並んでいるのか分からなかった。入り口にいた係員に、ここに並んでくださいと言われたので、素直に並んだだけだった。そして30分後に、全体の流れの説明を受けた。

それから申請する内容によって、3つほどに分けられた。事前準備として用意してきた書類をもとに説明を受けたのだが、とても丁寧だった。ここできっちり準備ができれば後はパソコンに入力するだけなので、もうほとんど終わったようなものだ。

ここでまた、パソコンで入力するかスマホで入力するかで分かれる。パソコンは10台ほど用意されていたが、しばらく待たされた。

入場時にラインでの「申込完了」画面を確認するとあったのだが、結局最後まで聞かれることはなかった。もちろん受付ではこちらから、「○時に予約した○○です」と口頭では言ったので、予約してから行ったほうがいいのは間違いない。

いざ、e-Taxで入力開始

いざ順番が回ってきて、パソコンで入力しようとするが、最初からどうしていいのかが分からない。何が分からないのかが分からないという、初めての場合によくある、あの状態だ。

二人ほど担当らしきの人たちがいたのだが、他の人にかかりっきりになっていた。ちょうど時間帯が昼休みに入ったことろだったので、人手が足りていないようだ。

それでも、担当の人たちはこまめに周りを見ながら、順番に説明しにきてくれる。こちらも説明を聞いている時は分かったつもりになるのだが、画面が変わるとまた分からなくなる。そして、説明してもらうまで、キョロキョロして待つという繰り返しだ。

それでも10分ほどで入力作業も終わり、印刷されたものを受け取れば全て終了だ。慣れていないこともあったが、終わってみればあっという間だった。

やり終わってから考えてみると、パソコンの入力もとても簡単だった。一度入力すれば基本データはそのまま受け継がれるわけなので、次回からは自分一人でも十分できそうだ。

税務署での対応は、とても丁寧で親切だった

とにかく、税務署での対応がとても丁寧で親切なのには驚いた。以前のイメージから考えると、まさに隔世の感がある。もう40年ぐらい前の話になるが、若い時に接した役所の悪いイメージが、どうしても払拭しきれないのだ。

これはわたしだけかもしれないが、特に市役所に対していいイメージがなかった。とにかく昔は、「横柄」と言う言葉がぴったりの対応だった。

仕事をする気がないのか、それともこちらを馬鹿にしているのか、最小限の言葉しか発しない。一体全体、何がそんなに面倒くさいのだろう。それとも、そんなに疲れているのだろうか。

その上やたらとスピードが遅い。何をすればそれだけ時間がかけられるのかと思うほど、所作がゆっくりだ。何せ悪いイメージしか残っていないので、いい場面が浮かんでこない。しかし、自分が仕事をするようになってからは、めっきり市役所に行く機会がなくなってしまった。

思えば父親が亡くなった時から、市役所に行く機会が増えたような気がする。そして、その時一番びっくりしたことは、12時過ぎの昼休みにも対応していたことだ。

あまりにも古い記憶なので部分的に思い違いもあるかもしれないが、昔の市役所は昼休み時間帯には受付自体をしていなかった。12時になったらたとえ何人受付に並んでいようと、窓口を閉じていた。全員が一斉に昼休みを取るのだ。

そしてもう一つ驚いたことは、間違った箇所をちゃんと指摘してくれた上に、正しい書き方を教えてくれることだ。役所での申請というのは、基本的に初めてのことが多い。そのため、提出する書類も初めて書く場合が多いものだ。

昔は今のように、詳しい記入例も用意されていなかったような気がする。なので提出してから間違いを指摘され、その度に書き直していた。それも何度もだ。提出するたびに間違いを指摘してくる。なぜ一度に言わないのか、その時はわからなかった。もちろん、今もわからない。

「こんなことしてたら、お互い時間の無駄ではないのか」と思いながらも、素直に書き直していた。わたしが若かったせいもあっただろうし、受けてきた教育のせいもあったのかもしれない。目上の人間やお役所には、逆らわないのが当然だった。今なら間違いなくそのことを問いただすだろうが、当時は大人しく従っていた。

あとついでに言うと、わたしが大学生の頃は、学校の事務所が昼食時に閉まっていた。受付カウンターのシャッターがおろされるのだ。そのシャッターが一切何も受け付けないという、強いメッセージを発信していた。そのおろされたシャッターのイメージが、今でも脳裏に鮮明に残っている。

いくら学生が暇だとは言っても、急ぎの用件もあるだろう。いくら何でもシャッターまで閉める必要があるのだろうか。「これでも仕事と言えるのだろうか」と、当時でも呆れていたことを思い出す。

何にしても役所の市民へのサービスが、良くなってきているのは間違いない。この状況が続いてくれれば、いいことだと思う。

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