パソコンとの出会い
ことの始まりは入社2年目で、京都の北部担当になった時の話だ。
その時の得意先に、やたらパソコンに詳しい人がいた。
当時はまだパソコン自体が、世間に認められていない時代だった。
そんな時にパソコンの魅力を教えてもらい、一気に火がついた。
そして、ラップトップコンピュータの購入を勧められ、すぐさま即決した。
その当時で25万円ほどしたので、2年目のサラリーマンには、そこそこ大きな買い物だった。
自分のものになった時は嬉しくて堪らなかったのを覚えている。
大学生の時、運転免許をとってすぐに購入したコスモ以来の衝撃だった。
ただただ嬉しくて、暇さえあればパソコンを触っていた。
それなのに翌月になって、別の商品に買い換えるように頼まれた。
私の買ったパソコンを、欲しがっている人がいるらしい。
もう記憶も定かではないのだが、私はその得意先から直接そのパソコンを買ったと思う。
多分、言い値だったはずだ。定価もわからなかった。
その当時はまだインターネットもなく、調べる手段はほとんどなかった。
また当時、私もまだ若かったし、得意先を疑って拒否することは出来なかった。
ただ、納得できないまま交換したのを、今でも覚えている。
結局、不信感は最後まで拭いされず、その得意先とはそれ以降あまり深く付き合わなくなった。
それでもパソコン自体は仕事中も持ち歩いて、夜ホテルに帰ってから一心不乱に触っていた。
当時はまだエクセルは発売されておらず、ロータス1−2−3を使っていた。
関係書籍の種類も少なかったので、色々探すのに苦労した。
それでも山形庫之助がロータス1−2ー3の本を出しており、それを見ながら勉強していた。
その時、ロータス1−2−3専用の雑誌も出ていて、熱心に読んでいたのを思い出す。
MS-DOSでロータス1−2−3を使った時から、表計算ソフトというものに取り憑かれていた。
こんなことも出来るのかと、不思議な感覚を持ったのを覚えている。
売上などのデータを自分で色々使いやすいように、独自に表にまとめていたりした。
確か使ったいたのは、EPSONのPC-286だったと思う。
その後386、486と続いていったが、ずっと286を使い続けた。
もちろん、お金がないのも理由だが、何だか踊らされているようで嫌だった。
実際、性能が上がって、コストもかかるようになってきた。
当時OSはフロッピーディスク数枚を使って
ロータスの専用雑誌にも「はしれ286」という連載記事があり、それの励まされながら頑張っていた。
それでも流石に限界があり、私のパソコンでは性能が追いつかなくなってきた。
それに伴い仕事や家庭が忙しくなり、段々とパソコンを触る機会が減っていった。
そうなると興味が薄れてきて、しばらく忘れ去られていた。
その沈黙を破ったのが、Windowsの登場だった。
エクセルを使った売上のデータ分析
確か、Windows3.1が日本で発売されて、爆発的に売れた。
この時に、何か流れが変わったような気がする。
私もこのタイミングで、パソコンに再度接するようになった。
ただ、MS-DOSから考えると、Windowsは全く別物だ。
その時にはロータス1−2−3もエクセルに変わり、一太郎もワードに変わっていた。
もうマイクロソフトの独壇場だ。
そうこうしているうちに、会社でもパソコンを導入するようになった。
これは時代の流れの必然で、どこの企業でも同じタイミングだっただろう。
そのうちエクセルでは関数を使うようにな李、その魅力に取り憑かれた。
そして会社から与えられるデータを、自分の使いやすいように改良できないかと考えるようになった。
その時思ったのは、エクセルについて網羅的に取り扱っている本を一冊読破することだ。
その当時一番分厚くて、内容の濃かったのが「できる大事典」だった。
最後まで読み通すのに苦労したが、何とか最後までやり通せた。
英語の文法書でもそうだが、取り敢えず一度通読した方が良い。
おかげでぼんやりとしていた知識が、少しまとまりかけて来たような気がした。
少なくとも疑問があれば、どこを探せば一番早いかはわかるようになってきた。
その後、上司にMOSの受験を勧められたので、そのテキストも買ってみた。
ただ、受験料のあまりの高さに驚き、結局試験は受けなかった。
重要な項目が丁寧に説明されており、参考になった。
受験するしないに関わらず、いい教材だった。
その後具体的な活用法を求めて、いくつか本を買い始めた。
基本的には、会社でエクセルを活用できないかを模索していたようだ。
「Excel売上データ分析」は、エクセルの可能性を教えてくれた。
回帰分析などについての知識を教えてくれた。
「Excelピボットテーブル」は、改めてその使い方の詳細を教えてくれた。
「ビジネスExcel」はエクセルについてもう少し知りたいことが、ピンポイントで説明してある。
この本は日経PC21が編集しているのだが、内容が丁寧でわかりやすい。
私も長い間この雑誌は定期購読していたので、おすすめだ。
今まで継続して買っていた雑誌の中で、ダントツに長く購入していたのではないだろうか。
それ以外も読んでみたが、それぞれに良さがありじゅうぶん役に立った。
ただ、その中でも「外資系金融のExcel作成術」は、私がエクセルで表を作る際の根本になっている。
私の仕事は外資系金融とは全く無関係なのだが、この「作成術」を使うようになって表の完成度が見違えるほど大きく変わった。
今でもこの基本を忠実に守って、エクセルを使っている。
あと、「デスクワークを3倍効率化するテクニック」でも、新しい発見があった。
それは、VLOOKUP、ピボットデーブル、使い捨てマクロを活用して、エクセルの表を作成することだ。
特に、VLOOKUPとピボットテーブルを使いこなせるようになると、相当レベルが上がってくる。
ただ、慎 泰俊氏や奥谷 隆一氏は最近エクセルに関係する書籍は出していないようなので、少々残念だ。
統計学に興味が出てくる
そうこうしているうちに、数値によるデータ分析に興味が出てきた。
データ分析には定量と定性があり、数値を使うなら定量分析がいいらしい。
そこで定量分析についての書籍を買ってみた。
最初に買ったのが、「定量分析 実践講座」だった。
この本を読んで、分析に興味を持つようになった。
その次に勝ったのが、「ビジネスで使いこなす定量分析」だ。
ビジネスに特化した入門書で、とてもわかりやすい。
定量分析についての理解ができてきたら、統計学に興味が出てきた。
上記以外にも、「分析力」に関する本をいくつか読んでみた。
その中でも西内啓氏の「1億人のための統計解析」は斬新だった。
その後シリーズとなった「統計学が最強の学問である」も、買い続けた。
ただ、問題なのは4作目の「数学編」だ。
数式がガッツリ出てくる。題名に偽りなしだ。
何度か手に取るが、いまだに買えずじまいだ。
結局は数式なのか。これがわからないと、結局は理解できないのか。
少し諦めかけていた時、ふっと思った。
果たしてこれらは、そんなに難しい数式なのだろうか。
自分には理解できないのだろうか。
何だか急に数学を学び直す気になってきた。