還暦から始めるTOEIC860点への道 イングリッシュモンスター編

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著者の菊池氏はTOEICで満点を取るだけでなく、この本を買った時点では満点を26回更新している。
一時マスコミでも取り上げられていて、テレビでも何度か見かけたことがあった。

「海外渡航経験ゼロ!」「34歳から独学でマスター!」というキャッチフレーズはよく見かけるが、満点を26回も取っていることには驚きだ。

菊池氏は北海道大学文学部ロシア語学科入学し、ロシア語の勉強に没頭していたそうだ。
ややこしい文法を解き分析する事が楽しかったというから、基本的には語学が大好きなのだろう。

ひとつの形容詞が修飾される名詞の格・数・性によって24個の形に変わるという論理性に魅せられたらしい。どれだけ勉強することが好きなんだろう。

当時のロシア語の会話能力は現在の英語会話力を上回っていたというのだから、今からでもロシア語を教えることができるほどのレベルなんだろう。

イングリッシュ・モンスターの新TOEICテスト最強勉強法

抗議の投稿を英語で書いて送ることが習慣に

「ニューズウイーク」などの記事が読めるようになってくると、「編集部の決めつけから生まれた日本非難の記事がものすごく気になってきた」らしい。

海外のメディアには、「思い込みに立脚したステレオタイプな見方が非常に多い」と感じ、またそれに対して誰も反論しないことに疑問を持ったそうだ。

それで自分で反論するために、英文で抗議の手紙を書いて編集部に送り、その英文を何時間も時間をかけて確認したことが、英語力を上げる事になったようだ。

海外のメディアでステレオタイプな見方が多いのは、日本に対してだけではないような気がする。
欧米以外の国に関しては、ほぼ同じような感じだ。

多分、一部の人たち以外は、あまり日本に興味もないし、情報も持っていないのだと思う。
我々が思っているほど、他の国の人たちは日本に関心を持っていない。

我々にしても欧米以外の国に関して、それほどの知識や興味があるとは思えない。
もちろん、そうではない人たちもたくさんいるだろう。

例えば数十年前になるが、NHKでアイルランドの特集番組をやっていた。
その中では女性達が山上で踊っており、何か伝統的な風習であるかのようなイメージだった。

その後も同様に、伝統的な儀式の場面が続いた。私自身、アイルランドにはもっと都会的なイメージがあったので、意外に思いながら見ていた。

その当時、私が聞いていたラジオ番組に、アイルランド人のパーソナリティがいた。
英語の話せる日本人女性と二人で、英語と日本語でやりとりをしていた。

そのラジオでたまたま、このNHKの番組の話になった。
するとアイルランド人のパーソナリティは、「今時、あんなことをしている人はいない。いったいどこの国の話なんだ」と、お酒を飲みながら笑って見ていたらしい。

日本でなら、新年を飾る下鴨神社の「蹴鞠はじめ」が、ニュースで流れた時みたいな感じだろうか。
その番組をたまたま見た外国人の中には、日本では皆、正月に蹴鞠していると思う人たちもいるのかもしれない。

TOEICの試験で30分も時間が余る人が、本当にいた

引きこもり生活から抜け出した菊池氏が、試しにTOEICを受けてみると、いきなり970点の高得点。
それも時間が、30分も余ったそうだ。

だいたい時間の余る人がいること自体が驚きなのに、それも30分とは理解不能だ。
色々武勇伝を聞いてきたが、あまりの格の違いに嘆息するばかりだ。

リーディングの時間は75分しかないのに、45分で解いているわけだ。
我々はPart 7だけに55分かけても、全く時間が足らない。

コツコツ努力して、地道な作業を愚直に続けていく

TOEICで高得点を取る秘訣は、「ひたすら辞書を引き、ネイティブスピーカーの発音を聞き、スクリプトにあたって文章を解析し・・・・・・の繰り返し」と言っている。

これはTOEICの対策本としては、珍しいと思う。
TOEICで高得点を出すには、短期集中が基本だ。

もちろん辞書を引いている時間はないし、ましてや単語帳を作るのなどは問題外。
TOEIC用の単語帳を、ひたすら頭から覚えていく。
いかに効率的にTOEIC専用の勉強をするかが、高得点の鍵になっている。

大学受験でも「傾向と対策」があるのだから、TOEICにも必要だろう。
でも、それだけで終わってしまっては、何のために勉強してきたのかわからなくなってしまう。

社内的評価のために、TOEICで高得点を取ることだけが目的であるのなら、短期集中で勉強することには価値がある。それこそ3ヶ月間、お酒もやめて遊びにも行かずに、一心不乱に勉強する。

でも、それで目的のスコアをクリアできたから終わりでは、あまりにも勿体無い。
そこまで勉強してきたのなら、なおさらその先に向かって勉強を続けていきたい。

菊池氏はリーディングが英語学習の要と考え、て一字一句正確に読むことに重点を置いたようだ。
知らなかった単語をひたすら覚えて、辞書無しでも正確に英文が読めるようになったらしい。

菊池氏は、独学でここまでやって来た勉強法を伝えることで、「英語学習の成果が出ずに苦労している多くの人たち、とくに、時間と大金をかけながら諦めてしまった人たちに」、「TOEICの壁を超えて貰いたいと願っている」と言っている。

「ただ勉強するのではなく、徹底的に勉強する」のだ。

1日10単語完全暗記より1日100単語不完全暗記を!

最初、これを読んだ時、どうしても納得できなかった。
「不完全だから100個のうち99個は忘れてもいい」と言う。

不完全に100個覚えても、99個忘れて本当に身についているのだろうか。
結局1個しか覚えていないのに、やる価値があるのだろうか。

なぜそう思ったかといえば、村上憲郎氏が同じようなことを言っていてからだ。
村上氏は「村上式シンプル英語勉強法」で、「とにかく1万語を覚え」ろと言っている。

ただ、その方法が変わっている。
「ひたすら眺める」のだ。それも、「毎日1万語、全部見る」のだ。

1語1秒で、1万語で2時間45分かかるそうだ。
これを毎日2時間45分続ければ、必ず力になると言っている。

確かに毎日3時間英単語を眺めていたら、覚えられるような気もする。
ただ、それだけの時間と根気のある人間が、いったい何人いるのだろう。

まだ、1日100語なら100分の1なので、何とか頑張れそうな気がする。
それでも不完全暗記とはいえ、100語を毎日覚えていくのは相当な根性が必要だ。

ちなみに、この本は2008年に私が買ったのだが、8年後に奥さんが文庫本を購入していた。

村上式シンプル英語勉強法

一日の食費が500円!

一日の食費を500円に切り詰めサラリーマン時代の貯金で、何とか食い繋ぎ独学生活を享受していたが、とうとう7年目に貯金を使い果たし引きこもり生活に終止符を打つことになったらしい。

テレビで見たことなので記憶が曖昧なのだが、菊池氏は柿ピーしか食べないと言っていた。
そして働くようになってからも、その食生活は変わらないとも言っていた。

確かにそれならそれなら1日500円ですみそうだが、そんな生活が続けられるのもだろうか。

満点回数が93回に増えている?

Morite2(もりてつ)さんのTwitterで、昨年菊池さんが失業したと報告されていた。
その時のTOEIC満点回数が、93回になっていた。想像を絶する回数だ。

菊池氏自身のTwitterでは、「2010年から3年間、芸能事務所に所属してイングリッシュモンスターというインチキ臭い名前で売られていました。」と、述べられている。

現在、ネットで買える菊池氏の書籍は、「イングリッシュ・モンスターの最強英語術」だ。
レビューでの評価も高い書籍だ。

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