自分でも以前から不思議だったのだが、なぜ10年以上もMacを使っていてNumbersを使おうとしなかったのだろう。当初Numbersは有償だったのであまり興味はなかったのだが、すぐに無償でなおかつ最初からインストールされるようになった。
いつからかiPhoneやiPadにも、最初から標準で搭載されるようになった。いったい何時ごろからNumbersがこのようになったのか調べてみると、
2011年7月まで、KeynoteやPagesとともに、「iWork」という商品名でDVD-ROMがパッケージ販売されていたが、2011年8月以降Mac App Store及びApp Storeで単体として配付されている。また、2013年10月22日以降のMacおよびiOS機器の新規購入者に対しては無償で提供されている。
Wikipediaより
とのこと。なんと無償で提供されるようになって、10年近く経つのだ。考えてみたら凄いことだ。これほどのソフトが最初から無償でついてくるなんて、普通に考えたらありえないことだ。
それにアップデートも無償なのだ。常に最新版を使い続けられるので、新たに買い替える必要すらないのだ。
表計算ソフトでのエクセルのシェア率
それなのに周りでNumbersを使っているという話を、聞いたことがない。というよりか、Macを使っている人と、ほとんど出会ったことがなかった。
エクセルはオンラインブラウザ版を加えると、表計算ソフトの8割以上のシェアを誇るらしい(2022年5月 BtoBサービスの比較メディアUtilly調べ)。まさに独壇場。圧倒的なシェアだ。
とにかく一般的な会社では、表計算ソフトでエクセルを使うのは当たり前。というより、はなから他の選択肢がない。たとえ家でMacを使っていても、状況は変わらない。
どうせエクセルしか選択肢がないのならと、いろいろ本を買って勉強するようになった。とにかく多機能なので奥が深く、色々な使い方があってだんだん楽しくなってきた。
いろいろ試してみて感じたことは、下記の3つを使いこなせるようになれば、大概のことはできるようになるということだった。
・VLOOKUP関数 ・ピボットテーブル ・使い捨てマクロ
特に会社での資料作りなら、これらを使えばほぼ問題はなかった。
iPadを仕事で使うようになる
ただ少し前から状況が少し変わってきた。というのも、会社でiPadを導入したのだ。すると特に会社から外に出た場合、iPadを使って説明する機会が増えてきた。
iPadでもエクセルを使えるようになっていたのだが、どうも使い勝手が悪い。そこで試しにNumbersに落とし込んで使ってみたら、見栄えがとてもいい。
それからWindows機ではエクセルを使って表を作り、それをiPadで表示できるように作り直すというパターンが定着していった。
しかし、どうしても二度手間、三度手間になってしまう。最初からiPadのNumbersで表が作れたらいいのだが、会社からのデータがCSVやエクセルファイルで来るので、iPadでは作業しにくい。
だがiPadを使って一対一で説明する場合、ピンチアウトなどが簡単にできるので、相手も理解しやすくインパクトもある。
そしてNumbersの使い勝手の良さもあり、プライベートでもNumbersを使って表などを作るようになってきた。
ひとつのシートに複数の表を自由に配置
とにかく一番驚いたのが、この使い方だった。最初は複数の表が使えるという意味が、よくわからなかった。長い間エクセルしか使っていなかったので、まさかの発想だったのだ。
確かにこちらの方がレイアウトしやすいし、見た目が綺麗だ。白紙のパワーポイントに、エクセルのシートを貼り付けたようなデザインだ。
関数もエクセルとほとんど同じように使えるし、お互いの表からの参照も当然問題ない。大量のデータを扱わないのであれば、こちらの方が使いやすいかもしれない。
グラフが美しい
まさにアップルの真骨頂と言おうか、グラフがとても美しい。もちろん表もフォントも美しいので、当然全体としてのトータルバランスもいい。
上図のようにグラフをクリックすると、縦横に楕円形の矢印が出てくる。それをクリックすることによって、好きな方向に向けることができる。なんとも直感的でいい感じだ。
多少エクセルが使える人であれば、すぐ使えるようになるだろう。同じ表計算ソフトなのだから、使い方にそんなに大きな違いはない。
ただエクセルに慣れすぎると、最初は抵抗はあるかもしれない。だが機能が絞り込まれているので、一度勝手がわかればあとは簡単に使えるようになる。
多分エクセルを全く使わずに、最初からNumbersを使うのなら、とても簡単に使えるようになるのかもしれない。でもそんな人はごく稀であろう。
Numbersに関する書籍がほとんどない
ただ、Numbersを本格的に使ってみようとして参考書を探したのだが、とにかく本屋ではそれに関した本が見つからなかった。ネットで調べてみても、下記の書籍ぐらいしか見つけられなかった。
それもPagesやKeynoteと一緒になっているので、それほどNumbersが詳しく説明されているような気はしない。何せエクセルなら、これでもかというほどたくさんの種類の書籍が販売されている。
この違いはいったいなんなんだろう。単にNumbersの需要が少ないからなのだろうか。それにしてもエクセルとの差がありすぎる。
わたしが以前OneNoteの使い方を勉強するときに、YouTubeで大変お世話になった金子晃之氏も、「パソニュー」の中の記事で、
Excel講座やってください!っとのお仕事はきますが、Numbers講座やってください!っとは未だに一回もないです。個人的にNumbersの使い方を教えることはあったとしても。 そういう時はExcelを一度も使ったことがなく、iPadを持っている方だったりしますね。
と言っている。チャンネル登録者数が125万人もいる方がこう言っているのだから、やはり需要がないというのが正解なのだろう。
まとめ
Macを使っている人は、とにかくNumbersを触ってみてほしい。きっと思っていたほど使いにくくはないはずだ。慣れだけの問題だと思う。
わたしも最初は罫線の消し方すらわからずちょっとイライラしたのだが、分かれば簡単な話ですぐに理解できた。
ただネットで調べても、すぐには解決策にヒットしないこともある。わたしの調べ方が悪いのか、それともあまりに基本的すぎたのか、あまり取り上げてもらえないようだ。
例えばわかりにくかったことの一つに、印刷時のページ番号の消し方があった。設定項目を探しても、「ページ番号」という項目が見つからない。
仕方ないのでしばらくはページ数がついたまま、我慢して印刷していた。しかし、まさか直接ページ番号をクリックして、「delete」で消すとは思ってもみなかった。