少し前から何となく、英文法をやり直してみたくなっていた。そこでとりあえず、手元にある4冊を初めから読み直してみようと思った。
まず最初に「スーパーレベル英文法」から始めた。というのも出だしの数ページで挫折してしまって、十数年ほったらかしにしていたからだ。だからやり直すと言っても、ほとんど初めてと言う感じだ。
最初は苦労したが、途中から面白くなってきた。次から次に新しい発見があって、楽しかったのだろう。早い時期に2回目に取り組みたいぐらいだ。
そして、その次に手をつけたのが、この「一億人の英文法」だ。
「一億人の英文法」の二回り目に挑戦
一番最初に読んだ時にとてもインパクトがあったのを、今でも覚えている。ワクワクしながら読み始めてみた。しかし、なぜかペースが上がらない
しかも読んでいるだけなのに、なかなか進まない。復習のつもりで軽く読み流しているつもりなのに、恐ろしいほどの眠気が襲ってくる。
「スーパーレベル英文法」を読む時のような、ドキドキ感がない。基本的にすでに知っていることなので、緊張感が薄れているのか。
どうしたことだろう。根気がなくなったのだろうか。それとも飽きてしまったのだろうか。
英語で話すための必須文法事項は4つ
この本では必須文法事項の柱を、4つに絞っている。
A 基本文型…すべての英語文を形作る4つの型 B 修飾方向…各部の修飾を行う2つの修飾方向 C 配置転換…特殊な意図 : 感情を込めるための、表現の配置転換 D 時表現 …文内容がいつのことであるのかを示す時表現
潔いほど、絞り込んでいる。そして、この4つの柱に沿って、詳しい説明がなされていく。下の図は「A very rough Guide to English」という航海図だ。
「なぜ」に答える
例えば、なぜ must に過去形がないのか。我々には奇異に感じられるのだが、ネイティブには何ら不思議なことではなく、それを素直に受け入れている。
なぜなら、must は「今ヒシヒシと感じられる圧力」であるかららしい。ある行為や結論に今強烈に駆り立てるのが、must なのだ。
このような感じで、その他いろんな疑問にも素直に答えている。
「高校生なら1週間から10日」で読破
「英語を話したいのなら、文法はなるべく短期間で終わらせる必要がある」と言っている。しかし、700ページ近くある英文法の参考書を、ただ読んでいくだけでも時間がかかる。それを1日70ページ覚えながら読んでいくのは、高校生には時間的に無理だろう。
1ページ2分以内で読んでも、2時間かかる。日々の授業の予習・復習をしながら、毎日2時間を別枠で確保するのは不可能だ。夏休みなどの長期の休みが取れる時に、集中的に学習するのがいいのかもしれない。
ただ、集中的に短期間でやることは、とてもいいことだと思う。でもそれは高校で英文法を通しで一回でもやった人でないと、難しいかもしれない。
関連図で全体を把握
「助動詞・意味の関連」では、見開きで助動詞の繊細なニュアンスを、イラスト入りで簡潔に説明している。そして、これらをもとに各項目で、詳しく説明が付け加えられていく。
とにかく助動詞というのは種類も多い上に、それぞれの意味もたくさんあり、それらの違いを理解しながら覚えていくことは大変だ。
それなのにそれぞれの助動詞を、簡潔な言葉で説明している。例えば must なら、圧力。may なら、開かれたドアなど、極力短い言葉でインパクトを与え、記憶に残りやすいようにしている。
その後の意味の説明も簡潔だ。may の場合、許可・禁止・祈願・推量の4つだけで、コラムを含めても4ページしかない。その文凝縮されている感じで、必ずこれだけは覚えてほしいという気持ちが伝わってくる。
イラストの豊富さ
とにかくイラストの多さには、感心させられる。それも全て自分で描いていると言うのだから、驚きだ。いくつか使いまわしているとはいえ、圧倒的な量だ。
そして、単語などから基本的なイメージを掴みやすいように、イラストも工夫されている。著者はこちらの方も才能があるようだ。
あと、ところどころに、あそび心も忍ばせている。例えば子羊一匹丸のままである「a lamb」を食べれないイラストで、その子羊に「やめとけ」と喋らせたり(p.145)、唯一の女性「the only girl」のイラストでは、「うそこけ」というコメントを入れたり(p.164)、the + 「国民名」で悪口を言うなのコラムでは、小さく「ざけんなよ」と記入してある(p.171)。
どこまでやればいいのだろう
これは自分が海外に行くようになって痛感したことだが、日常会話すらままならない。今まで英語の勉強をしてきて、買い物での会話すらまともに聞き取れないのだ。相手の言っていることが、ちゃんと理解できていないのだ。
ホテルですらそうだ。チェックインやチェックアウトは、ある程度パターンが決まっているので何とか対応できるが、少しでもアドリブが入るともうわからない。
以前泊まったホテルで、夕方にタオルだけを替えにくるサービスがあった。なぜそんなことをするのか分からなかったのだが、取り敢えずチップを渡して受け取っていた。ただ、毎日にことなのでだんだん不審に思い始めた。
そこでフロントに話をしに行ったのだが、どうも話が通じない。微妙なニュアンスがわからないせいなのか、私の英語力が足りないせいなのか、うまく話が伝わらない。
仕方なくその後もタオルを受け取り続けたが、納得はできなかった。たかだかタオルを持ってくるだけなのに、ハウスキーピングをするのと同じチップであることが腑に落ちなかったのだ。
というよりも、その気持ちを相手に伝えられず、また納得されられなかった自分に、情けなさを感じていたのかもしれない。
英語は話すことができて初めて役に立つ
話せない英語なんて何の役にも立たない。本当にその通りだと思う。いったい何のために勉強しているのか、ちゃんと考えなければならない。
高校生までなら、受験のためだけに勉強することも悪いことではない。だが、社会人になってからも勉強しているのに、英語が話せないのでは話にならない。
まずは英語が話せるようになることを目指して、今後も英文法の勉強を続けていきたい。